1.1 Via de la Plata(銀の道)とは
Via de la Plataはスペイン西部を南岸のカディス(Cadiz)から北岸のヒフォン(Gijon)までを結ぶルートであり、一般的にはセビージャ(Sevilla)からCamino Francesの中継都市であるアストルガ(Astorga)までが歩かれています。Oviedoオビエドからアストルガ間はCmino PrimitivoからCamino Francesへ結ぶルートとしてCamino de Sansalvadorと呼ばれ歩かれている。)
セビージャからアストルガ間の途中を経由する主要都市としては、メリダ(Merida)、カセレス(Caceres)及びサラマンカ(Salamanca)等があり、カセレス北部にはVia de la Plataの中心的なカパラ遺跡(Arco de Caparra)がありローマ時代からの道(Calzada Romana)や橋等も一部に残っています。セビージャからアストルガまでの標高は200~800m程度で、Camino Francesのピレーネー山脈、セブレイロ峠の様な大きな標高差のアップダウンは無いが、アルデアヌエバ・デル・カミーノ(Aldeanueba del Camino)からサラマンカ間はローマ時代からの温泉地もある山岳部となっています。セビージャからアストルガは、アンダルシア(Andalucia)、エクストレマドゥーラ(Exteremadura)及びカスティージャ・レオン(Castilla y Leon)地方を経由しますが、高速道路(A66)と国道(N-630)がVia de la Plataの道に並行して通っています。 (一部、N-630の国道を歩く箇所もある。)南北の緯度差が有る事から気温や天候の差違も大きく、出発地のアンダルシアは春・秋に高温でもでもサラマンカ付近は標高も高く朝晩の温度差が大きいです。
Meridaのローマ橋 | Caparra遺跡 |
1.2 Camino Sanabres(サナブレスの道)
サモラ(Zamora)北のグランハ・デ・モレルエラ(Granja de Moreruela)からVia de la Plataと別れサンチャゴへ向かう道はCamino Sanabres(カミーノ・サナブレス)と呼ばれています。サモラからサンチャゴまではオーレンセ(Ourence)iが主要な都市となっていますが、途中のモンブエイ(Mombuey)からオーレンセ間は山岳地帯(最高標高:Padrneo 1,329m)でアップダウンの大きい区間となっています。カスティージャ・レオンからカンダ峠(A Canda:) を越えてガリシア(Galicia)地方へ入るが、雨量も多いためか森林も多なってきます。 グランハ・デ・モレルエラからサンチャゴまでは13エタパ(区間)で373.3kmありますが、30kmを越える区間が多く、ガリシア地方まではアルベルゲも少なく収容人員も少ない状況です。 オーレンセからサンチャゴまでは約110kmであることから、ここをスタートとする人が多くいます。
Puebla de Sanabriaを望む | Lazaへの山道 |
概略MAP
Via del Plata 及びCamino Sanabresの全体ルート図を「Ruta de la Plata」に添付します。
Google Mapによる地図は下記が便利です。
「Mapas del Camino Via de la Plata」
1.3 Via de la Plata/Camino Sanabresの宿泊施設
Via del Plata 及びCamino SanabresのAlbergue/Hostal等の宿泊設備を
「Via del Plata宿泊設備一覧」に示します。
注)上記の宿泊設備一覧は下記のサイトを参考に今回現地で確認した事項を修正したのものです。
ALVIP : Asociacion de Albergues de la Via de la Pllata
1.4 Via de la Plata/Camino Sanabresの特徴と注意事項
Via de la Plata及びCamino SanabresはCamino Francesに比較して以下の相違点と特徴があり、これから歩こうと計画している方への注意事項を記載します。
① 巡礼者数が少ない
サンチャゴ巡礼事務所の巡礼統計によると2010年(聖年)の巡礼者は14,197名(全体の5.2%)となっておりCamino Frances(189,212名)に比較して圧倒的に少ない状況です。(2009年は6,254名 4.2%) 私が歩いた2011年5月も同時に歩いている巡礼者は20名程度で100kmとなるオーレンセからも若干増加した程度でした。
② 途中のアルベルゲが少ない/一日の行程が長い
アルベルゲは主要な区間の村・都市にありますが、次のアルベルゲまで20km以上であったり収容人員の少ない小規模なアルベルゲが殆どです。(サラマンカ、ザモラ、オーレンセ等は大きなアルベルゲでしたが)また、多くは村等が運営するMunicipalのアルベルゲですがホスピタレロ等が常駐している箇所は少なく村役場(Ayutamiento)へ立ち寄って鍵を受け取ってから移用する等の手順があるので注意が必要です。 後半のサラマンカjからは30km/日以上歩かねばならない区間が多い状況です。
③ 運河、小川等を渡る箇所が多い
セビージャからサラマンカまでの区間では、農場や村の近くの運河等に橋が無い箇所が多数有り靴を脱いで渡る箇所があります。この為、大雨の直後等には渡れない箇所が有るためアルベルゲや村役場等で状況を確認が必要です。私が歩いた2011年4月は幸いにも晴天が続き、川の水量も少なかったので問題有りませんでしたが3月中は国道を迂回した箇所が数カ所あったと話していました。
④ 途中にBar(バル)等のある村が少ない
Camino Francesでは数キロ歩くと村がありBar等もありますので、朝食・昼食に苦労する事はまれでしたが、Via de la Plata及びCamino Sanabresの各区間に途中にBarが有るような村が少なく、前日にパンや飲み物を購入して持ち歩く事が必須です。
⑤ 最新情報に注意する
区間の道標(モホン)や矢印(黄色のペンキ)は、基本的に完備されています。但し、数は少ないため直線道路であると数キロは道標も矢印もなく不安な箇所も多くありました。また、農場の整備や高速道路の工事でCaminoが寸断されている箇所もあり最新情報に注意が必要です。最新情報の入手には、下記のサイト等のコメントが参考になると思います。
EROSKY CONSUMER
下記のリンクページを参照下さい。
① Via de la Plata (その1) Sevilla から Merida
② Via de la Plata (その2) Merida から Salamanca
③ Via del Sanabres Salamanca から Santiago de Compostela
④ Via de la Plata (その3) Benabente から Astorga
今回持って行ったガイドブックは、下記です。地図や都市・村の説明も丁寧で良かったのですが多少重いのが欠点でした。発行が2001年でCamino のルートが変更になっている箇所がありました。(改版を望みます) 私は、"Mundicamino" で購入しましたが、現在は販売しておりません。
書名 :Via de la Plata. Guia del Camino Mozarabe de Santiago |
最近販売された下記は、地図のみですが携帯にも便利で使いやすいと思います。
MUNDICAMINOのサイトでで購入出来ます。
書名 : Via de la Plata-Camino Mozárabe http://www.mundicamino.com/ |
ドイツ人、フランス人の方は下記を持っていました。 Amazon.com で購入できます。
(ドイツ語、フランス語版です)
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書名 : Walking Guide to the Via de la Plata and the Camino Sanabres Second Edition (English Edition) Kindle版
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